サイアミーズ・フライングフォックス
Crossocheilus oblongus
「フライング・スタート」は和製英語だそうで,英語で”flying start”というと,「順調な滑り出し」というポジティブな意味になるらしいです。それがなぜ,日本では陸上のルール違反を表す言葉になったんだろう。人生,順調な滑り出しにはズルが不可欠なのかな。謎です。
この魚の名前にも謎があって,「フライングフォックス」だけだと魚の名前にはならず,「オオコウモリ」の英名を表します。ネットで「フライングフォックス」と検索すると,ドラキュラのモデルになっていそうなコウモリの画像と,あとは19世紀の競走馬が出てきます(フライングフォックスの母馬の名前は「ヴァンパイア」らしい。どうなっているんだ)。
「サイアミーズ」は「タイ(国名)の」という意味らしくて,「タイ」と「オオコウモリ」がくっつくと途端に魚の名前になる。何がどうしてそうなったのか。謎です。
全然コウモリっぽくもないし,空も飛ばないし,キツネっぽくもないのに。タイにはいるけれど。あと,よく飛び跳ねるけれど。
名前に怪しいところがあるからなのか,紛らわしい近縁種も多くて,「サイアミーズ・フライングフォックス」として売られていても,実はサイアミーズ・フライングフォックスではない魚だったりします。
性格が温和で,コケをよく食べる人気のサイアミーズ・フライングフォックスですが,ニセ・サイアミーズ・フライングフォックスは性格が荒くてコケも全く食べず,「こんなはずじゃなかった」となることもあるようです。ホントノ・サイアミーズ・フライングフォックスとニセ・サイアミーズ・フライングフォックスの見分け方は尾ビレで,体の黒いラインが尾びれにもあるものがホントノ…とされています。
コケをはむはむする姿が最高に愛らしいコイの仲間ですが,大人になったら10cm以上とそれなりに大きくなるので,ゆくゆくは60cmくらいの水槽で飼ってあげたい魚です。
種類 | サイアミーズ・フライングフォックス |
生息地 | タイ,マレーシア,インドネシア |
体長 | 最大12cmくらい |
飼育難易度 | ★★☆☆☆☆ やや大きくなること以外は初心者向き |
繁殖難易度 | ★★★★★☆ 繁殖事例の情報あまりなし |
餌 | コケ,人工飼料(なんでも) |
飼育目安 | 45cm水槽に1匹,60cm水槽に2匹くらい |
かかりやすい病気 | 飛び出しによる事故死 |
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