バンブルビーゴビー オラつく小人

バンブルビーゴビー Brackygobius doriae

無理やり物事を前に押し進める様子を表した「ゴリ押し」という言葉があります。
なんとなく,いかついゴリラがオラついてくる様子を思い浮かべるけれど,この「ゴリ」は川底の石にくっついて生活するヨシノボリという魚のことで,「カゴを川底にぐいぐい押し付けながら,川底の石にくっついたゴリを捕る様子」から「ゴリ押し」という言葉ができています。
こう聞くと,ヨシノボリはオラつく漁師に不本意ながら捕られていく「か弱い魚」という印象を抱くけれど,ヨシノボリの仲間はかなり縄張り意識が強い「オラついた魚」です。「ゴリゴリ」という言葉は,ヨシノボリ同士がオラつく様子からできた言葉です(これは嘘)。

バンブルビーゴビーはインドネシアなどの東南アジアに生息する小型のヨシノボリの仲間です。小さいけれど,いかつい顔と強い縄張り意識はザ・ヨシノボリという感じ。
さらに黄色と黒の危険色を身にまとっていて,オラオラゴリゴリな魚です。小さい体で必死に縄張りを主張する様子がかわいい。
危険色というと,有毒な生物と同じ色を持つことで捕食者から身を守る一種の擬態でもあるけれど,「黄色と黒」のストライプはハチの色で,水中にいるバンブルビーゴビーがハチに擬態しているとは思えません。この配色が,生存するうえでどのように有利にはたいているのかは謎。色が危険色なのは偶然だろうか。

汽水域に生息するので,若干の塩分を含んだ水の方が状態がいいようです。淡水で飼育する場合は「フレッシュウォーターバンブルビーゴビー」という別種の淡水棲の種の方が良いでしょう。 「フレッシュウォーターバンブルビーゴビー」 はアルカリ性の水質の方が調子が良いといわれていますが,そこまで水質にはうるさくなく,弱酸性の水でも飼育は可能。
前述の通り縄張り意識は強く,同種間で喧嘩をしてヒレをぼろぼろにしてしまうので,隠れ家をじゅうぶんに用意して飼育することをおすすめします。
餌はイトメや冷凍赤虫がいいけれど,頑張ればクリルや人口飼料にも餌付きます。

種類バンブルビーゴビー
生息地東南アジアの汽水域
体長3cmくらい
飼育難易度★★☆☆☆☆ 基本的には丈夫。
繁殖難易度★★☆☆☆☆ 飼育環境下でも繁殖可能
イトメ,冷凍赤虫,クリル,人工飼料
飼育目安45cm水槽に6匹程度(レイアウトによる)
かかりやすい病気喧嘩による衰弱

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